バクの日記

人生旅行の途上で出会ったもの

「新型コロナ恐慌」後の世界

経済評論家・渡邉哲也氏の「新型コロナ恐慌後の世界」を読んだ。

 

内容は中国を取り巻く世界情勢、特に米中経済戦争を中心とした経済摩擦についての話で、大部分は新型コロナの流行と何の関係もない。はっきり言えば、新型コロナ恐慌「前」の世界について書かれている。

 

目次を眺めてみる。

プロローグ「新型コロナ」恐慌で始まる負の連鎖

第1章  「武漢ウイルス」で中国はどこまで崩壊するか

第2章  アメリカは弱り目の中国を、こうして潰す

第3章  危機を乗り越え日本は繁栄する

第4章  グローバリズムの終焉で逆転する世界

第5章  「新型コロナ」後の世界

 

米中関係について、日本のメディアはトランプ大統領の発言ばかりを取り上げるが、実際には対中政策の多くは議会が決定している、との指摘にはうなずかされる。

 

これまでと現在の情勢を把握するのには有用な書籍だが、最も期待した第5章も「コロナ後」の予測はほとんど書かれていなかった。

 

新型コロナと関係なく読めば非常に参考になるが、題名に惹かれて、新型コロナ恐慌「後」の世界情勢について氏がどのように考えているのかを期待して読むとガッカリしてしまう本だ。売らんがための題名はいただけない。

 

次作に期待したい。

 

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